私は前職では、年商約50億の中小企業のシステム部門の責任者を20年間務めてまいりました。
一通りのITに関わる業務を経験しました。
そしてその過程で「基幹システム」を自前で構築して稼働させた実績があります。
しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
当時はインターネットでの情報収集もままならず、
IT未経験だった高卒文系の私は、書籍頼りの知識ゼロからの独学スタートとなりました。
かなりの遠回りをしました。
とても多くの失敗を重ね、相談する人がいなくて何度もくじけそうになりました。
しかし、すべての苦労や喜びは、私にとっていい経験となりました。
そんな「ひとり情シス」の独り言が、もしかして今苦しんでいる
「IT未経験のひとり情シス」の皆さん、
「新米システム担当者」の皆さんへ、
少しでも支えになればと、書き綴りたいと思います。
業務システム構築アドバイザー
武井 誠
「ひとり情シス」のはじまり......
それはある日の全体朝礼の後だった。
私は社長から呼ばれてこう聞かれた。
社長「君は、エクセルは使えるかい?」
私「はい」と答える。
社長「君は、インストールはできるかい?」
何のインストールの事かわからなかったが、いづれにしてもそんなに難しいことではないだろうと思い、
私「はい。大丈夫です」と答えた。
そしたら、
社長「では今日から当社のシステム責任者になってくれ。頼むな!」
えっ?システム責任者?えっ!
さて、ここまでの話を聞くと、
社長はかなり突飛で無茶振りをしてきたと感じた方は多いのではないでしょうか?
ところがです、後々知ったことですが、今回の私のようにPC知識に少しだけ秀でていたり、
エクセルが少し得意な社員がシステムの担当者に選任されることは、まったく珍しくないようだ。
その後、以下2点の特命が下された。
②月末月初に発生している、パートさんの給与算出業務を楽にしてあげてほしい。
先日まで進めていたシステム?
給与算出業務?
とにかく事情が分からず、担当者らしい人にあれこれ聞いてみた。
①に関しては、根が深そう(ってか自分の入るスキなんてない?)なので後回しにしよう。
②に関しては実際に調べたところ、
月次の給与算出を月末月初に数人の女性が終電ぎりぎりまでかけて処理していることが判明。
しかし内容まではよくわからず。。
当月の業務に立ち会うこととなる。
いづれにしても、それぞれ難問であることは目に見えている。
実際に問題点が判明したとしても、それをどう対処していいかわからないのでは?
どうしよう。。
しかし、逃げるわけにはいかない理由がある。
私には、妻と小さな娘がいる。
この仕事には死活がかかっている。
なんとかせにゃ。
かくして、この後20年に及ぶ「ひとり情シス」の始まりとなった。
つづく。。